家の買い時はあるのか

この4月からあらゆる物が値上がりし、マイホームに使用する建築資材もかなり影響が出てきています。長引くウッドショックに木材は高止まりし、アルミ、キッチン等の水廻り製品、照明器具等メーカーの値上げが止まりません。

一昔前は土地価格は高かったですが、建物は今ほど高性能な機能を追い求めていなかったので比較的坪単価で見てみると安かったと思います。今、注文住宅を建てようとすれば2年前と比べてかなり高くなります。お客様の家に対するご要望も多くなる傾向で何を基準に家を建てるのかを施主は考える時期に来ています。以下に私が家を購入するなら気にすべき点を記載したいと思います。

まず、一番大事なのは土地です。動かせないものであり、多額の費用を要するので慎重に検討すべきです。物件購入の上限予算が決まっているなら、家の予算を考えると土地もあまり選べないということになりますが、どれを捨てどれを優先するかを真剣に考えて下さい。モデルルームやネットで家への憧れは膨らむ一方ですが、ご自身の身の丈にあうよう抑えて下さい。

1~2年経つ建売住宅はお勧めです。材料が上がる前に建てたので今から注文を建てるよりかはお買い得です。これからは行政の指導もあり、土地の開発も厳しくなりますので土地の値段も上がる可能性はあります。

この題名である「家の買い時はあるのか」に対しての答えは「ご自身が欲しいと思った時、住みたい土地が見つかった時。」が買い時です。この土地が良いと気に入ってもぐずぐずしていると無くなってしまいます。もっといい土地が出るかもと待っていたら運があれば出会えますが、出会えなければ永遠と家賃を払い続けなければなりません。物価の値上げは必然であり、住宅の補助金も細々とあるものの、注文で長期優良住宅を建てないとあまり期待出来ません。コロナによる財政圧迫により国の補助金も最初から期待しない方が良いでしょう。

住宅ローンの金利に関しても月々の返済額が大きく変わりますので要検討事項です。

住宅ローンの金利には大きく分けて、変動金利と固定金利があります。一般的に、変動金利は日銀の政策金利の影響を受ける「短期金利」を元に決められます。一方、一般的な固定金利は10年もの国債の金利に代表される「長期金利」などを元に決定されます。

まず、銀行は短期金利または長期金利を参考にしながら、様々な金利タイプの「店頭金利」(基準金利)を決めます。そして、店頭金利から「引下げ幅」を差し引くことで、実際に利用者が借りるときの住宅ローンの金利である「借入金利」が決まる仕組みになっています。

引下げ幅については銀行同士の競争が続く限り期待できると考えられます。住宅ローンは、銀行にとって、個人に提供している重要な金融商品の1つです。引下げ幅を利用する際の条件も銀行によって違うので確認が必要です。

都市銀行や地方銀行だけでなく、ネット銀行も含めて顧客を確保する為に、一定の引下げ幅は維持されるでしょう。仮に引下げ幅が縮小された場合でも、既に住宅ローンを借りている方の引下げ幅は変更にならないのが一般的です。

店頭金利は、日銀が決定する政策金利の影響を受けるので、物価上昇率や日銀の金融政策に注目する必要があります。日銀は消費者物価指数の前年比2%上昇の目標達成に向けて、2021年12月10日現在では政策金利(日本銀行への当座預金の一部に適用される金利)をマイナス0.1%に維持しています。

総務省統計局が発表した2021年10月分の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、前年同月比プラス0.1%程度となっており、日銀の目標であるプラス2%には程遠い状況です。以上のことから、政策金利がすぐに上がるとは考えにくいといえますがいつどうなるかは誰にもわかりません。

このように不確定な要素だらけですので、ご自身が新居で豊かな人生を送りたいと思った時が家の買い時なのだと私は思います。