住まいづくりの計画において、リビングの配置は重要なポイントの一つとなってきます。
毎日の生活の中では、過ごす時間も長く、食事やくつろぎ、また、家族との会話やコミニュケーションを図る上では、欠かせない場所となってきます。
特に新築住宅を計画する場合にリビングは、過ごしやすい空間とするため、日当たりが良く明るい南側に設けられる事が多いと思われます。
ただ、南側が必ずしも好条件となっているケースばかりではない時もあります。
南側の隣地建物が接近し、十分な明るさを確保できなかったり、窓の配置によっては隣人との視線が交錯することもあります。これでは、暗いリビングになってしまったり、プライバシーの確保も難しくなってきます。
今回は周辺環境を考慮し南側ではなく、北側にリビングを配置したプラン例を紹介いたします。
敷地条件は、南側の隣地に一戸建ての平屋建物が建っており、建物の北側には、窓が並んで配置されています。
新たに新築を計画する上では、すでに住まわれている隣人に対しても配慮が必要になってきます。従来通り、リビングを南側に配置し、大きな窓をとって、お互いのプライバシーを犠牲にするより、思い切って北側にリビングを配置するのも、一つの方法かと思います。
このプランでは、リビングを北側に配置し、前面道路の空きなどを活用し、敷地の北側に駐車場を取り、広いスペースを確保することで、採光やリビングからの開放感、プライバシーにも配慮した計画となっています。
リビング上部の吹抜けは自然の明るさや、開放感にプラスαな効果をもたらしてくれています。北側の採光の特徴は日射による影響が少なく一年中、安定した自然の明るさを得ることができます。
南側にはタタミコーナーを配置、天井付近に設けた高窓により、採光を取り入れしつつ、隣地との視線が交錯しないようプライバシーにも配慮しています。
今回のケースのように、建物を建築する敷地がどのような周辺環境に置かれているかを調べ、場合によっては、リビングの位置を変えることで、過ごしやすい空間を計画するのもいいかと思います。
設計 吉田