紅葉が始まり、住まいにとっては過ごしやすい中間期になりました。この快適と感じる中間期が年々短くなり、長い暑い夏をいかに住みやすく過ごすかが重要なポイントとなってきます。
今日は住まいづくりの計画において、自然エネルギーを利用し、快適かつ省エネ性の高い建物への提案について話したいと思います。
高松市では、約40年前と比べ、年間平均気温が2℃程上昇しています。その年によって差はあるものの上昇を続けています。暑い日が長いよりも猛暑日が増え寒い日が短くなっているといった所に特徴があるようです。
香川県はもともと温暖な地域であり、夏期の日射を抑える事が住まいづくりにおいて重要視されてきました。とはいえ日射を抑制=日差しが少ない=暗い部屋。では快適どころか逆に住みにくい建物になってしまいます。
そこで日射を抑えつつも、自然の採光や風通しを効率的に促すことができる建築的手法を用いることで解決できる事もあります。
夏は太陽高度が高くなるため、水平に伸びた軒先やバルコニー、庇などの建物本体を利用して強い日差しを防ぐことができます。また東西の水平日射には外付けのロールスクリーンやルーバーなどが効果的です。特に東西面の窓は朝日や西日を直接受けるため必要以上に大きな開口部は避けたいものですね。逆に冬は太陽高度が下がるため、暖かい日差しを庇などの影響をあまり受けることなく取り込むことができます。
南北に設けた大きな開口部は計画上有効で、採光を取り込むだけでなく、風通しがよく、風の道をつくります。また吹き抜け上部や階段上部のトップライトは採光+温度差による重力換気を行え、換気能力の向上による空間の快適性へとつながります。
間取りや窓の配置の工夫、植栽等を利用することで、電気やガスなどのエネルギー使用を抑え、快適な生活空間を確保するとともに、co2排出削減による環境への配慮も行うことができます。
住宅の建築計画においては周辺環境の確認から始まり、間取りや家事動線、外観デザイン等に加えて自然エネルギーの利用や建築的手法を取り込む提案力が求めらます。
設計 吉田