同じようなデザインの住宅が何軒も建ち並んでいる光景を見たことがあるでしょう。区画を分譲地と呼び、家を建てるために整備した土地に統一性を持たせた小さな街を作り上げています。今回はおしゃれで綺麗で、統一感のある分譲地で家を探しているという人へ、分譲地の選び方や注意点をご紹介したいと思います。そもそも分譲地って何?という人や、マイホームを検討している人も必見です。
分譲地とは
分譲地とは、畑や山林であった土地を販売業者が一定の区画で買い取り、住みやすいように整備した土地のことをいいます。建物を建てるために地盤が改良されていたり、ガスや水道が通されていたり、土地を購入して家を建てたい側にとって面倒となる、土地関連の工事が事前に行われているところが分譲地の大きな特徴です。
「分譲住宅」と「建売住宅」の違い
分譲地には、ひとつの分譲地内に外観や大きさに統一性を持たせながらこれから家を建てていく「分譲住宅」と、分譲地内に既に同じような家が何軒も建てられている「建売住宅」の2つがありますが、この2つはほとんど同じ意味です。どちらも、もともと“建物を建てるために整備した土地”であることに変わりはなく、そこに家が建てられているか、あるいはこれから建てていくのかというだけの違いとなっています。分譲地で家の購入を検討している人なら、色々調べていると「あれ?」と思う時があるかもしれません。そんなときはこの違いを思い出してみてください。
分譲地のメリット
自分で見つけた土地に、自分の好きなようにデザインした家を建てる方が良くない?という人も中にはいるでしょう。もちろん家へのこだわりは人それぞれのため、絶対に分譲地がおすすめ!ということではありませんが、ファミリー層をはじめとする多くの人に人気がある分譲地のメリットとは一体何なのかをご紹介します。
面倒な土地の整備が必要ない
自分で土地を見つける場合、もともとの土地の建築条件を確認したり、実費で土地を整備したり、ガスや水道も自ら手配して通さないといけない場合もあります。とにかく土地の整備には面倒がつきもの。時間もお金もかかってしまう土地の整備を省くことができるところは、一番といってもいいくらい分譲地の大きなメリットといえます。
街並みが綺麗に整備されている
分譲地はひとつの街として構築されていくのが大きな特徴です。区画内に全部で6軒の家が建つとすれば、6軒の外観は似たようなものとなり、分譲地内で統一性を持たせます。分譲地内の街並み全体が、デザイン的にも環境的にも綺麗に整備されているところもメリットのひとつといえるでしょう。
防犯面の不安要素が少ない
一定の区画がひとつの街として構築された分譲地には、不審者も近寄り難いといいます。誰かしらの監視の目があり、どこかの住宅の明かりが灯っている分譲地では、不審者が気付かれたり通報されたりするリスクが高くなるため、防犯面における不安要素も比較的少なくなるといえるでしょう。
車の侵入も少なく区画内は安全
分譲地は車の通り道も整備されており、住人以外の車がビュンビュン走ってくるということはほとんどありません。分譲住宅が建ち並ぶ中でスピードを出す人も少ないため、小さな子供がいる家庭ならより一層交通事故などの心配が少なくなるでしょう。
建売住宅なら下見ができる
分譲地に既に家が完成している場合は、建物の下見ができます。
注文住宅の場合は模型やCGイメージなどで想像する、もしくは作っていく過程をリアルタイムで見届けることしかできませんが、建売住宅なら、間取りや日当たり、周辺の景色なども購入前に確認することができます。当たり前ですが、「衣類を購入したけど、イメージやサイズが合わなかったから返品」ということが簡単にできないのが住宅購入です。理想やイメージに近く、満足のいく家を購入するためにも、下見ができることは大きなメリットとなります。
建売住宅なら入居までがスムーズ
分譲地に既に家が完成している建売住宅なら、入居までが非常にスムーズです。注文住宅だと数カ月かかりますが、建売住宅の場合は、もろもろの手続きが済めば即入居可というところも多いです。「子供の転校先の始業式に合わせたいから、夏休み中に引っ越したい」など、買い手の都合に合わせて引っ越ししやすいというのも、分譲地ならではのメリットといえるでしょう。
新たなコミュニティを構築できる
分譲住宅の建築、販売時期はほとんど同時期です。下見も一斉にスタートするため、同じ時期に家を探している人が、同じ時期に入居をすることになります。新たな地で新たなコミュニティを構築できるところも分譲地の魅力です。人付き合いが苦手な人や、その地域のお局さんが気になるという人は、一からご近所関係を築くことができる分譲地が向いているでしょう。
同世代の住民が集まりやすい
分譲地を購入する人の多くはファミリー層や新婚さんなどです。結婚を機に新居を購入、子供が生まれるためアパートから一軒家に引っ越しなど、低コストで良質な家を購入できるため、分譲地はファミリー層に大変人気があります。特に学校や幼稚園、図書館や公園など、近くの施設が充実している分譲地には、同じ目的を持った、同じよう世代の住民が集まりやすいでしょう。自分と同じ世代の住人であれば、コミュニティ作りも楽しめそうです。
分譲地のデメリット
たくさんのメリットがある分譲地ですが、デメリットを挙げるとすればどんなことかご紹介します。
分譲地は早いもの勝ち
分譲地の中に家が6軒建つとして、その6軒の中でも間取りや日当たり、外観や価格はそれぞれ異なります。庭が広く作られているところや日当たりの良いところは早く埋まってしまうことが多く、せっかく気に入った立地でも、気になる家は売れてしまっていたということも起こりうるのが分譲地の特徴です。そのため、気になる物件をみつけた場合は即見学予約や問い合わせを行いましょう!
分譲地の選び方
若くして家を購入する人が増えてきて、近年人気が高まっている分譲地ですが、選ぶ際にはどんなことを意識すれば良いのか、選び方のポイントをご紹介します。
STEP:1.理想とする立地やデザインはどんなものか
まずは理想とする立地はどこか、希望の間取りやデザインはどんなものかを考慮して分譲地選びをスタートしましょう。住みたい町や周辺環境、大きさやデザインをリストアップしながら、理想をまとめます。
STEP:2.周囲の将来性があるかリサーチ
分譲地を選ぶ際には、周辺の将来性も考慮するといいといわれています。周辺に更地や広い敷地が残っている場合、将来的に開発されていく可能性があり、利便性が高まっていくかもしれません。もしくは、開発状況によって住み心地が悪くなってしまうということもあるでしょう。その土地の開発計画や将来性をリサーチすることは、より良い分譲地選びに直結します。
STEP:3.時間を問わず良好な環境であるか
分譲地や建売住宅の下見は、ほとんどが日中に行うことになるでしょう。日中は人通りが多く周辺環境が良さそうに見えても、夜道は人気や明かりが少なく物騒だということはよくある話です。昼と夜、どちらも周辺の環境を確認しておくことが大切です。
STEP:4.地形に問題はないか
日当たりが良い、高低差はどうか、三角や楕円形の土地など変わった形をしていないかなど、地形に問題はないかも分譲地選びでは重要となります。特に家が建つ前の分譲地を購入する場合は、地形を確認するチャンスです。土地の状態をよく確認してから購入を決めましょう。
分譲地を選ぶ際の注意点
分譲地選びで特に注意したいことは以下のようなことです。
1.生活面の利便性を事前に確認
スーパー、病院、交通、公園、学校、幼稚園、児童館、役所、コンビニ、郵便局、銀行など、生活する上で欠かせないものが周辺にきちんとあるかどうか、事前に確認を行いましょう。近くのスーパーまでバスを乗らないといけない、駅まで徒歩20分な上に役所は隣駅のため電車を乗らなければいけないなど、利便性があまりにも低いと快適な生活とは程遠くなってしまいます。
2.周辺の防犯情報を確認
大通りに面しているため車がスピードを出して走っている、街灯が少なく夜道が怖い、通学路が車通りの多い道になっているなど、周囲の防犯性も確認が必要です。特に子供のいる家庭やお年寄りがいる家庭などは、家族が安全に暮らせる街であるかどうかを見極めることが大切となります。可能であれば、過去に起きている事故や事件の情報などもリサーチするといいかもしれません。
3.川、海、山など周辺の自然環境も確認
大雨が降ったとき、台風がやってきたとき、地震が起きたとき、周囲に川や海、山などの自然が多い分譲地は、自然災害に巻き込まれる可能性もあります。自然災害はよくあることではありませんが、いつ何が起こるか分からないのが怖いところです。避難場所は近くにあるか、過去に大きな災害が起きていないかなど、自然環境についても考えるといいでしょう。
まとめ
分譲地は家のデザインや街並みで決めるのもいいですが、実際に暮らしたときのイメージを具体化し、周辺環境の利便性や安全性など、ぜひあらゆることを考慮しながら選んでみてください。