早くも年の瀬。そろそろ大掃除をしないと、、とプレッシャーを感じている主婦の方多いのではないでしょうか。
私もその一人。いかにお掃除を楽にして部屋をきれいに保つか、主婦にとって永遠のテーマ!であります。
こうした悩みは、これから住宅を新築する際に注意をすることで、負担を減らせることがたくさんあります。
掃除しやすい住宅にするためのポイントを6つ、ご紹介いたします。
1.凸凹の少ない空間にする
埃は部屋の隅に溜まるものです。部屋の形状が凸凹しているとそれだけ角が増えて埃の巣が増えます。間取りを考える際は凸凹の少ない部屋形状にすると掃除が楽になります。
また、間取りだけでなく部屋を立体的に見てみて、オープンな棚があったり、ニッチがあったり、手すりや窓があったり、、、壁に凸凹が多い場合もそれだけ掃除の箇所が増えます。オープンな棚はお気に入りのものを飾ったりしてオシャレな雰囲気が出ますし、キッチンや洗面脱衣室などの棚はオープンの方がすぐに取り出しやすいメリットもあります。飾り棚とする場合は物の取り出しの頻度が少なく埃がたまりやすいので、お掃除が苦手な方は必要最小限にするか、ガラス扉などをつけて飾るようにしましょう。
2.床や家具を埃や汚れが目立たない色にする
一般的に明るい床だとほこりが目立たず、暗い床だとほこりが目立ちます。単純にほこりが目立たない方が良いのか、それとも目立つようにしてマメに掃除しきれいな部屋を保ちたいのか、それはあなたの生活スタイル次第です。一方汚れは明るい床のほうが目立ちやすいので一概に言えませんが、明るい床でも木目柄や色むらが多めにある床材を選ぶと汚れは目立ちにくくなります。また家具や建具などについては、鏡面仕上げなど平滑な仕上げのものは傷がつくと目立ちやすくなりますので、特殊な加工をしてない限り、出入りが多い場所やお子さまがよく触れる場所、ペットを飼う方など傷が付きやすい場所には選ばない方がよいでしょう。耐汚性や耐水性、メンテナンスなどに配慮されている床材や仕上材もメーカーからたくさん販売されているので、その部屋の使い方、掃除の仕方などに適した素材を選ぶことが大切です。
3.窓や建具の配置、形状に気をつける
窓掃除がしやすいかどうかはその配置が大きく影響します。たとえば、採光・通風のために設けた高所にある高窓などは注意が必要です。階段や吹き抜け周辺の窓も、手が届かず掃除が行き届かない・・・ということも。開閉できないFIX窓も場所によっては屋外の掃除が難しい場合もあります。新築プランニングの際には快適性に配慮して窓を配置することは重要なのですが、日々の掃除方法も考えながら検討しましょう。
また建具の選び方によっても掃除のしやすさは変わります。そこでオススメなのが、引き戸です。軽い引戸にすると片手が使え、開けっ放しにしても邪魔にならず、掃除もしやすいでしょう。特に、床面がフラットになる(レールのない)上吊りタイプは、ゴミもたまりにくく、掃除機もかけやすいです。
4.コンセントの数、位置をチェック
特にLDKには多く家電を置くことになります。タコ足配線にすると線が絡まり、ほこりがたまり、掃除がしづらくなります。新築の際は、家具家電の配置をあらかじめ決めておき、コンセントは少し多めで計画しましょう。
また掃除で忘れてはいけないのがコンセントの位置です。少し高めにするだけで、かがまずに掃除機のコンセントが差せます。設置場所は掃除機のコードの長さを考えて差し直しが少なく広くかけられるところに設計しておくと良いでしょう。
5.収納を適材適所に
物があふれている家も掃除がしづらいです。そこで適切な場所に適切な量の収納をきちんと備えることも必要になってきます。収納を計画する際、想定よりもすこし多めな容量のスペースを用意しておくと後々困りません。家族が増えればそれだけ物は増えていきますし、季節家電や催事小物などは意外に場所を取ります。あらかじめ余裕を持った収納計画をしておきましょう。使う頻度が少ない大きなものを置いておけるような納戸などの大きな収納箇所と、それぞれの部屋に細々したものをすぐ片付けできるようなちょっとした収納場所を設置するのが理想です。
また、掃除道具の収納場所もポイントの一つ。一箇所にまとめて扉の付いた収納場所にしまうと、その都度取りに行く必要が出てくるし、扉を開けて掃除機やワイパーを取り出すという、ひと手間が面倒になってくるものです。リビング用、水まわり用、二階用などと分けて掃除する場所の近くに置いておくとスムーズに掃除ができます。おしゃれな掃除機やディスプレイ映えするお掃除グッズを目に見えるところに出しておくのも、掃除へのハードルが下がるアイデアです。
6.設備やロボットの力を借りる
家のなかで汚れやすいキッチンやトイレ、洗面所、浴室などの水回り箇所は、その設備をセレクトする際に入念に仕様をチェックしましょう。キッチンでも難関の換気扇掃除。シンプルな形状で不必要な溝や凸凹が少なく汚れが溜まりにくいレンジフードにしたり、汚れが付きにくい加工をしたファンやフィルター、清流板を用いたり、フィルターそのものがないタイプ、中には10年掃除不要とうたうものもあります。シンクも汚れにくく、掃除のしやすいタイプが増えています。排水溝のぬめりを防ぐために形状や水流を工夫したものや、排水口部分とシンクを一体構造になったもの、溝がなく掃除がしやすいもの等、いろいろあります。
浴室も早く乾く床材や、排水口も単純な形状で掃除しやすい工夫がされていて、浴槽も汚れがつきにくく簡単に掃除ができるものが多いです。メーカーによっては、自動で浴槽を洗ってくれるものもあるので、毎日の掃除が億劫な方はこのようなものを選ぶのも手です。また浴槽やカウンターなどの色は黒より、白の方が水垢が目立ちにくいでしょう。
トイレも、便器自体に汚れがつきにくく落としやすい加工を施したり、汚れがたまりやすいくぼみや溝を極力減らしたもの、メーカー独自の洗浄方式で汚れを落とすものもあります。
それでもなかなか掃除は面倒なものです。忙しくてそんな時間が取れないこともあります。そんな時は気負わず、ロボットの力を借りましょう。ただロボットに頼るにも床にモノがあふれていると掃除してくれないので、片づけをする習慣はつけておきたいものですね。
設計・インテリアコーディネーター F・A